公務員の主な職業と試験概要
国家公務員一般職(専門試験+教養試験)
主に地方機関で国家行政に携わります。行政職は全国を9ブロックに分け、その管轄地域で業務に携わります。中部地区は「東海北陸地域」になり、岐阜・静岡・愛知・三重・富山・石川・福井県が管轄地域になります。この地域の中にある、国の行政機関でその業務にあたります。筆記試験は専門試験8科目(16科目の中から選択)40題と教養試験55題。地方上級職(専門試験がある職種)をねらう人がほとんど受験する試験でもあります。
都道府県職員(大半が専門試験+教養試験)
愛知県などの都道府県の県庁や管轄機関で、県民などの地域住民のための行政事務に携わります。地方分権がすすむ中で、各都道府県に課せられる役割や住民からの期待はさらに大きくなり、仕事のスケールややりがいも国に負けない非常に大きなものになっています。試験のレベルも非常に高く、国家公務員に合格しても、地域に根ざした仕事に魅力を感じ、都道府県職員を選ぶ人も少なくなく、筆記試験の難易度も高くなっています。筆記試験では大半の都道府県職員試験に専門試験と教養試験の両方があります。一部、教養試験のみで受験できるものもありますが、倍率は非常に高くなっています。(愛知県は、専門試験+教養試験と教養試験のみで受験できる制度を取り入れています。)
国税専門官(専門試験+教養試験)
国税局や税務署において、適正な課税を維持し、また租税収入などを確保するため、税務のスペシャリストとして法律・経済・会計などの専門的知識を駆使して業務を行います。国税専門官は国税調査官・国税徴収官・国税査察官という3つの職種に分かれて税に関するさまざまな業務に携わります。国の財政基盤を支えているという強い使命感と不正を許さないという正義感が必要不可欠な業務です。筆記試験は専門試験と教養試験とがあります。その職種の専門性をあらわすように、商法、会計学が専門試験の必須科目となっているのが特徴です。
裁判所職員(専門試験+教養試験)
裁判所での裁判がスムーズに行われるための準備や調査などの業務に携わります。裁判所は裁判部門と司法行政部門とに分かれています。裁判部門では「各種事件を法的に解決する」ことを目的とし、書記官の補助役として各種裁判事務を、司法行政部門では、裁判に必要な人的・物的な面をサポートするセクションで総務・人事・会計課などの業務に携わります。筆記試験は専門職を反映して、専門試験の必須科目に憲法、民法があるのが特徴的です。
市町村職員(各自治体によって異なるが大半は教養試験のみ)
市町村役場などで、地域住民のために地域に密着して業務を行います。地域住民との距離も近く、期待ややりがいをダイレクトに感じて仕事をすることができるところが大きな魅力です。近年の市町村合併などの影響により毎年採用試験が行われるとは限らず、また採用人員も少数の自治体がほとんどです。地元志向が強く受験者が多いので倍率は高くなっています。大半の自治体の筆記試験は、教養試験のみですが、自治体によって異なるので事前の情報収集が大切です。
警察官(教養試験のみ)
各都道府県の警察本部に所属して、都道府県民の命と財産、生活の安全を守ります。近年の高度化、凶悪化する犯罪や、多発する交通事故などから社会の平和と安全を守る、他にない絶対的に頼りになる存在です。採用試験は各都道府県単位で行われます。最近の社会事情を受けて警察官の増員採用が決まるなどその存在の必要性はますます強くなっています。筆記試験は教養試験のみで、地方上級職ほど難易度は高くありませんが、その分、高得点を取ることが必要になります。二次試験の面接評価も大変厳しくなっており、人物重視の傾向は非常に強くなっています。
消防官(教養試験のみ)
多様化する災害からかけがえのない生命や財産を守ります。火災の消化から救急活動まで、住民に身近で責任のある仕事です。消防官の仕事といえば火災の消化が真っ先に思いつきますが、実際の仕事はそれだけではなく、火災予防、人命救助活動、傷病者への救助活動、地震や台風などの災害に対する防災業務などさまざまな業務があります。筆記試験は警察官と同様に教養試験のみですが、警察官ほど採用人員数が多くないので、難易度は高めです。警察官同様、二次試験の面接評価も大変厳しくなっており、人物重視の傾向は非常に強くなっています。